昨日から二日間、上記の山講座を早川町で開催しました。
1日目は早川町薬袋にある日本上流文化圏研究所で2時間の座学。
この日は早川町の住民の皆さんから、早川町の歴史や災害の状況についてお話を伺いました。
住民は誰一人頼んでもいないし望んでもいないのに、国交省が予算を消化するために次から次へと砂防ダムを作ってきたことをお聴きしました。
説明会で国は、一つのダムが砂で埋まれば、その上にまた新しいダムを造るということを繰り返すと公言されているそうです。
早川町には東洋一の規模の砂防ダム稲又ダムがあります。このダムは20年かかって造って6年で土砂が満杯になったそうです。。。
今回の山講座では、この稲又ダムまで行ってきました。
幾つもの土砂で埋まったダムを乗り越えて、奥の奥のその東洋一の砂防ダムまでたどり着くと、広大な無機質の土砂の大地が広がっていました。
昔は清々しい風とともに気持よく流れる清流だったであろう奥山は、かろうじて息をしているという感じでした。
あまりにも惨い風景に、こちらの感情もフリーズする感じです。
私が地球だったら大声で叫んでいます!
「目先のことしか考えない、もしくは何も考えない人間たちよ!私の美しい緑の山々をどうしてくれるの!私のみずみずしい大地をどうしてくれるの!あなたたちにはもう何も期待はしないから、私は私で自分の傷を治すから、どうかこれ以上、私の傷を大きく深くしないでほしい!
私は地球そしてあなたであること、もうそろそろ思い出してください。」
今回の講座で唯一救われたのは、地域住民の皆さんが「自分たちの住む場所が外から来た方々に誇れる場所に再生できるように自分たちのできることから始めていきたい!」と宣言されたことでした。
そして、こんなにも壊滅的な状況でさえ、今すぐに誰でも出来ることがあると、講師の矢野さんから教えていただいたことです。
山のてっぺんまでダムを造って、もうこれ以上上にはダムを作れなくなったら、いえ、その前に予算が回ってこなくなったら、国は即撤退します。今から私たちにできることを、子どもたちに元の自然を残すことを真剣に考え取り組んでいくのが大人の責任ですね。
講師の矢野さんが声を大にしておっしゃいます。
「今回の早川町の実態は、実は日本全土の現実です。
昨年の紀伊半島での大規模な土砂災害は、今後日本中で起こります。
原発の災害の仕組みと砂防ダムによる自然崩壊のメカニズムは同じです!
もうそろそろ人間は気がついて変わっても良い時がきています。。。」

朝講師の矢野さんから早川町の地図と現状の説明を聴いてから山講座がスタートしました

県道から雨畑に入るところ
川の対岸の山の様子をを観察しました

ここでも斜面の崩壊とともに、周りの木々が枯れ始めています

雨畑に通じる道路の一番大規模な崩落現場
道路の上の山はいたるところで崩れています
道路の周りをコンクリートで修復しても、またすぐに上の山が崩れてくるであろうことはだれの目にも明らかです

ここでも

流れてきた土砂で川底が上がりもうすぐ流されそうな橋

橋から見た雨畑湖

一夜にして出現した湖上の大地
本来なら川の流れとともに下流域に運ばれていた土砂が、砂防ダムにより行きどころがなくなり湖を埋め尽くしていきます

土砂で埋まった砂防ダム
水の流れは、ダムのコンクリートを自然の形状に削っていました

さらに奥の砂防ダムも土砂がオーバーフローして機能停止状態です
ここは企業が整備した「パジェロの森」のすぐ近くです。

昼食休憩の後、車を置いてここからは徒歩で奥山に入ります

東洋一の砂防ダム稲又ダム
よりによって早川町の要となる聖地でもある場所に作られていました。。。

ダムのすぐ横から池大神様の参拝登山口に入ります
水の神様なのでこの鳥居で写真を撮ると白い竜が写ることがあるとか

急な山道を20分ほど登ると池大神様の社に着きました
ここでも不思議な現象が。。。

急な山道を下り途中から河原に出ます
30名が無事に渡り終え、池大神さまに思わず手を合わせます

稲又ダムの上です
20年かかって造られた東洋一のダムはたった6年で土砂で埋まりました
奥山はあちらこちらで崩壊しています
木々は枯れ始めていました
何より風がおかしいのです
この場に立つことが気持ち良くないのです

土砂の間を縫うように水が流れています
急な流れのところに大きな石を運んで、流れに負荷をかけて均一な流れに調整します
それだけで優しい水の流れになり、ホッとするのが不思議です

車の駐車場所まで戻り身支度を整えてます
ここは出雲大社、池大神、七面山、身延山、富士山が一直線上に位置するエネルギーラインとのこと
そのラインに立つと掌がビリビリ感じるそうです

車で戻る途中にも数か所で、移植ゴテで水の流れを改善しました
見る間に水がきれいになり、風が変わるのが実感できます
この後、出発地点にもどり、参加者の皆様と感想をシェアして、矢野さんにまとめていただきました。
前回の里講座で体感した「気持良い感じ」とは対照的に、今回は奥山の悲痛な叫びを聴いて気持が重くなったようですが、それでも今回見たこと聴いたことから、自分なりに出来ることをこれからも考えていきたいと、多くの方々から発言頂き、未来につながる光が見えてきたことはとても嬉しく感じました。
また、今回は5歳から中学生までのお子さんが6名参加されたので、真剣に学びあう大人の後ろ姿から何かを感じてくれたのではないかと思いました。
次回の山講座は8月11~12日に予定しています。
次回はさらに奥の奈良田ダムに行く予定です。
また、来月の里講座は7月15~16日、宅地周りと田畑の環境改善、風の草刈り、風の剪定、砂防ダムと周辺の観察と環境改善の予定です。
里講座は都会の住宅地でもすぐに応用できる環境改善方法が学べますので、この機会に是非ご参加ください。
また、宿泊は季美の郷以外にも効能の高い温泉宿がリーズナブルな価格でお泊り頂けますので、家族旅行を兼ねてお出かけください。
*埼玉から参加された
りーふさんがご自身のブログに講座の内容や感想をレポートされていますので、是非ご覧ください。
http://uzunami727.blog37.fc2.com/blog-entry-522.html